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風の中の行進~熊木杏里

本意ではなかったのだが、楽天レンタルでリストの後ろの方に混ぜ込んでいた熊木杏里の昨年、一昨年のアルバムが追加レンタル(1枚300円なり~涙)で送られてきた。本当はBONES2のdisc9, 10が来る予定だったのだが…、まぁ、プロジェクタがこのザマだし、ある意味よかったのかもしれない。

で、一昨年のアルバムが1年半ぶりに出した「風の中の行進」。で、昨年のアルバムは「私は私をあとにして」、今年は「ひとヒナタ」となる。

昨年の「私は私を~」、今年の「ひとヒナタ」ともに、かなり秘孔を突かれる作品だったので、一昨年の「風の~」もかなり期待を膨らませていたのだが、喜ぶべきか、悔やむべきか、かなり毛色がちがう。

最近の2作品はどちらかというと非常にパーソナルな気持ちを歌いながら、その実、とてもとても普遍的なテーマをひそませてあり、その巧妙さにやられた~感があったのだが、この手法は、どうもここ最近の2枚で確立されたもののようだ。

「風の中の~」では、その「パーソナル」さというか、私小説的な「ひとりのきもち」の部分はまったくと言っていいほど影をひそめてしまい、ひたすら「メッセージ」を高らかに歌い上げるという呈だ。もちろん、彼女自身の、あの穏やかで聴く者のささくれ立ったこころの逆むけをそっとなでて包んでくれるような声と調子に変わりはないから「歌い上げる」というのは、その歌声というより、頭に響いてくる歌詞、テーマといったもののせい。

その彼女の表面上のウエットさと、メッセージの硬質さがどうも違和感になって、歌声もメッセージも心の中まで届いてこないような気がする。まだ、ながらモードで2回ほどしか聴いていないので、初見の印象でしかない、いつものことながら自分の場合、初見はだめだめ印象でも、聴きこむうちにようやく「よさ」が見えてくるという「鈍さ」があるので、その違和感をネガティブにとらえるのは早計であるかもしれない。

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