2009年4月26日(日曜日)|Daily archive page
櫻の園
もちろん、チェーホフのオリジナルの話がしたいわけではない、実際読んだことないし。
この春に、セルフリメークというか、リメークというのは違うんだろう、脚本が全く別物だから、映画「櫻の園」が公開された。
アマゾンで観てみると、最初の映画「櫻の園」は1990年の作品なのだそうだ。この1990年の方は、かなりの名作でVHSでだが、当時2日で10回くらい観た記憶がある。(まぁ、部屋に閉じこもっていなくちゃいけない別の理由もあったりしたからなのだが、それでも10回見ていやにならない作品なのてそうそうはない)。
で、前作も中原俊監督で、今回も同監督のメガホンによるものである。が、犬神家の一族とかとは違って、脚本というかストーリーそのものがまったくの別物なので、最初に触れたように「リメーク」というのとはちょっと違う。
で、出来栄えだが、個人的には悪くないと思う。amazonのレビューではかなりの言われようで、その一言一言もうなづけないわけではない。自分も最初の20分ほどはかなりの違和感を感じていたと思う。まぁ、それほど前作が素晴らしかったということなんだけど。
前作は原作のコミックに忠実なのか(コミックは読んでいないのでわからないが)どうか、脚本自体が新鮮と言うか、仕掛け自体が面白かったのだが、今作では、その仕掛けは全く使わず、2~3か月の間に起こる出来事が時系列で語られていく、まぁ、通常のスタイルとなっている。そのせいもあって、前作で観る者をうならせた凝縮感というか、女の子たちひとりひとりの心のひだを観る者に十二分に想像させて、5分映画が進む間に観る者の頭の中では数日、数か月分の想像がめぐるような、そういうものを感じさせてはくれない。
ある意味、最近のダメ邦画によくあるパターンに見事にはまりきってしまっているっていうのを強く感じさせる作品になってしまっている。それが、このAmazonでの辛口評価になってしまっているんだろう。
ってことで、辛口評価の一つ一つには割と「賛成」って感じなんだけれど、それでも、なんというか、シーン、シーンに前作で監督が魅せてくれた少女たちの向こう側を思わせてくれる「何か」を、感じてしまい、結局なんでもないところで涙がにじんできちゃったりね。
まぁ、制作!ってなってから、実際クランクイン~公開のスパンが何かとっても短くて、脚本を練るというか、こねるというか、う~ん、さらには選択するというかね、そういうのに、もっと数か月、いや2,3年かけて作れるといいのねと、そう思う。おそらく、監督だってできるものならそうしたかったんじゃないかな?やっぱ、今邦画の置かれている立場の「貧しさ」が、こういう「いいもの」はあるんだけど、結局「貧相」な作品というのを量産させてしまっているのかな、とも思う。
